以前、鳥取環境大学の「まちなかキャンパス」にあるミニ里山生物園のお話をした。
まちなかキャンパスでは、地域の人と人が、大学の人も巻き込んでふれあいをもつ場としてつくられた。
そこで私は、人と人とのふれあいばかりではなく、人と地域の野生生物とのふれあいも、と考えて、ミニ里山生物園を、学生と一緒につくったのだ。
昨年の4月にオープンして、ミニ里山生物園関連の来場者だけでも199人あった。こちらの積極的な働きかけもあったが、なかなかよかった。
一時期、水の濁りが進行して困ったこともあったが、私の独自の発案でそれも切り抜けた。
今は冬なので、多くの動物は冬眠や不活動期の状態であるが、メダカやオイカワ、ヌマエビ、タニシはよく出て活動しているし、たまにはアカハライモリ、やサワガニなども姿を表す。ツチガエルのオスが突然、鳴きだすこともあるし、トノサマガエルも島民用の土の穴から顔を出すこともある。
それはそれで、なかなか野外では見ることができない冬の過ごし方を、間近で見ることができて面白い。
植物もまた、とても美しく、地上では鮮やかな緑の葉や茎が、透き通った地上では繊細で白く絡み合いながら伸びた根が、目に生える。
そんな緑や白の隙間から動物がひそやかに姿の一部を見せたりしたら、それはもうたまらない。
ザ・ワイルドライフ・・・・だ!
さて、そんなの生物達を見ているとき、脳の中ではだんなことが起こっているのだろうか。
生体の生理的変化を、電子機器を使って調べることもテーマにされている環境大学の石井克典教授と共同で、学生たちにも協力してもらって、ミニ里山生物園の水槽を見ているときの脳波を調べたことがある。
対照として、百枡計算をしているときと、段ボール箱の“壁”を見ているときの脳波も調べて比較した。
その結果、ミニ里山生物園の水槽を見ているときの脳波は、対照のときの脳波と比べ、明らかに、快いときに出る脳波や、集中しているときに出る脳波が多かったのである。
最近、狩猟採集生活に適応した行動や心理に加え、生理面での適応(たとえば、過多の炭水化物はホモサピエンスの生理には適していない・・・など)も主張されつつある。
ミニ里山生物園の水槽の眺めを少しだけ動画にした。少しでも快適な脳波の発生を体験していただければ幸いである。