温泉や三徳山で全国的に有名な鳥取県三朝町に、コウモリを探しに行った。ゼミのYmくんとYnと一緒に。
教育委員会のNさんに案内していただき、2つの鉱山の廃坑でめでたくコウモリを発見し、坑道内の状態、コウモリの状態を記録した。
その後、Nさんは、仕事で役場に帰られ、われわれ3人で、資料を基に、神倉の農業用水路の“暗渠”を探した。
でも、恐ろしいことに、3人ともそれがどんなものなのか、つまり農業用水路の“暗渠”がどんな場所にあり、どんな姿なのか、知らなかったのだ。
とりあえず神倉まで行き、(農業用水路というのだから)水路を探した。
ときどきYnくんが、車の窓から見下ろせる川に沿った水路の、それらしい場所を見つけて、何度か、「あっ、あれじゃないですか」と声をあげた。でもそのたびに、みんなで「いや、違うなー」と結論を出し、車での捜索はつづいた。
やがて、私は、「ためしに誰かに聞いてみよう」と思い立ち、いかにも旧家といった感じの家を見つけ、ベルを押した。
すると、なんと、その方は、私の「農業用水路の暗渠」という、おおよそ情報量があるとは思えない言葉で、「あーっ、ありますよ」と言われたのだ。
そして、大雑把な地図を出してこられ、大体このあたりです、と教えてくださったのだ。へーっ、こんなこともあるのだ、聞いてみるものだ、などと思いながら何度もお礼を言って、Yn、Ymが待つ車へと戻っていったのだ。
でも、一つ大きな疑問が胸に湧いていた。「大体このあたりです」と教えてもらった場所は・・・山中だったのだ。
農業用水路の“暗渠”は、集落の主要道路に沿って流れる川の周辺ではなく、山の中・・・・か。いろんなイメージの暗渠が頭に浮かんだが、どれもイマイチ、ぴんとこなかった。
それからのことは省略する。
消防士の方に教えてもらったり、山を、喘いで死ぬような思いで歩き回ったり(YmくんもYnくんも同じだったと思う)、前方に「ひょっとしたらあれか!」にたいなものを発見して、近くへいったら、違っていたり・・・・とにかく大変な苦難を乗り越えて、
さすが、私だ、最後は、きっちり見つけたのだ。
おーっ、これが暗渠か。これがねー!
それにしても先人は、大変な作業をされたのだなー、と、感じずにはおられなかった。
そして、中にコウモリは見つかったかって?
もちろん見つかりました!
山中の暗渠の中で、キクガシラコウモリが懸命に冬を乗り切っていました。
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