私は、大学の飼育室で、フェレット(ヨーロッパケナガイタチ)を飼っている。名前はミルクという。
ときどき実験に協力してもらっている。モモンガやコウモリ(正確に言うとコウモリの体毛に棲んでいる小さなハエ)を対象にした実験である。
その実験についての話はまた別の機会にするとして、今日は、最近、ミルクに起こった変化についてお話する。
ミルクは、いつもは、お気に入りの寝床付きのケージで過ごしているのだが、一日に一回、ケージの掃除と餌やりのため、ケージから出される。
すると、最近、今までにはなかった行動をはじめたのだ。
どうも、巣づくりに目覚めたようなのだ。
ケージから外に出ると、部屋の床に落ちているナイロン袋や新聞紙など、巣材になりそうなものをくわえ、せっせと部屋の隅の水槽の中へ運んでいるようだ。
今日は、私がたまたまもってきたハッポウスチロールの断片を見つけ、「あーっ、いいものがあったわ」(ミルクは雌である)とばかりに、くわえて運んでいった。
水槽の中で、運び込んだものに囲まれて満足そうに、しばし休息した後、また巣材を探して部屋を歩きまわっていた。
ミルクはもう10歳近くになる高齢だ。それがなぜ今頃、これまでには全くやったことがない巣材運びを熱心にやりはじめたのか。私にはわからない。
でも建設的な方向で、張りのある生活ができて結構なことだと思う。
私の服を巣材にしようとするのはやめてほしいと思うが。
0 件のコメント:
コメントを投稿