この写真、覚えておられます?
ちょっと前に「羽音をたてない蚊!?」というタイトルで書いた記事の写真です。
ちょっと復習をしておきましょう。
**********************
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の進化生物学者マーリン・ズックの「私たちは今でも進化しているのか?」(2015 文芸春秋)の中に、著者が発見した「わずが5年で進化した鳴かない新種のコオロギ」の話がある。
鳴き声を手がかりにして宿主を見つけ出す寄生バエが猛威を振るう中で、それまでの、鳴き声で雌コオロギに求愛してた雄コオロギが、鳴かない雄になった、という内容だ。
“鳴かない”というのは、もちろん雄の意志でそうしているのではない。遺伝子の突然変異の結果、翅の、音を生み出す部分が「櫛状」から「平ら」になり、鳴くときと同じように翅を動かすのだけれど、音が出ないということである。
求愛は、鳴き声とは別の方法で行うようになったのだ。
ところで、私は、部屋の中や野外の蚊が大嫌いだ。特に、家の中で、蚊の「ぶーん」という羽音を聞くと気が狂いそうになり(すいません。ちょっと言い過ぎです)、死に物狂いで追いかけたり、某蚊採り機器を目いっぱい使いまくる。
そしてそんな、蚊の羽音に敏感な私だから、ずっと次のようなことを考えていた。
「(けっして、蚊の味方をするわけではないが)こいつら、羽音を出さなければ、気づかれずに人に近づくことができるのに。突然変異でそんな個体ができたら、人も蚊の存在に気づかないから、すぐに蚊取り機器などで殺されることもなく、子どもが産めて、増えていけるんじゃないの」
ところがだ、1,2年前から、私には、実際にそんな蚊が出現しているように思えて仕方ないのだ。
なぜか。
その1:実際、羽音を立てずに飛んでいる蚊を見たことがある。
その2:羽音がしなかったのに、刺されて赤くなり、かゆくなっていることがある。
その2についてはダニじゃないかという説もあるが、私はダニなどと一緒には生活していない。
鳴かないコウロギが早々と出現したのだから、羽音をたてない蚊がそろそろ出現したって不思議はないじゃあないか。
皆さんも、羽音をたてない蚊に出あったら連絡していただきたい。
**********************
Responseが2件ありました。
一つは、次のような内容のもの。
「私も2年前の夏から蚊の音のこと、感じていました。
昨年、●●から○○へ引っ越したのですが、以前は蚊とり名人だったのですが、私が、引越し先の○○ではとれなくなって・・・・。」
そこで私のブログを読んで、あーっ、こういうことではないか(つまり、遺伝子の変化によって、人に取られにくい、羽音のしない蚊が現れ、増えている)と思われたそうだ。
もう一つは、次のような、もっとダイレクトな内容だ。
「羽音がしない蚊を家の中で実際に見ました。新種かなと思いました。」
まさに、私の予測をバッチリ支持してくれるような内容ではないか。
ところが、今日、大学で、同僚の人に話したら、実に愉快なresponnseが返ってきた。
曰く「歳をとったら高音が聞えにくくなるから、そのせいじゃない」
私は笑ってしまった。
そうか、そんな可能性もあるのか!
でも、すぐに思い直したのだ。
最初の引越しをされた方は若い女性の方だ。
高音が聞こえないなどありえないことだ。