小林朋道公式ブログ:動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。 主な著書は『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『通勤電車の人間行動学』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』など
2017/07/07
餌をねらうアカハライモリの幼生。生きるために必死だ。
ラベル:
イモリ
動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。主な著書は『通勤電車の人間行動学』、『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』、『ヒトの脳にはクセがある』など
2016/10/06
夏に変態したアカハライモリの幼体(マジ小さーーい)は今どうしてる?
アカハライモリの母親は春から初夏にかけて水中で産卵し、孵化した子どもは晩春から夏にかけて変態する(カエルで言えば、オタマジャクシが変態して子ガエルになる)。
さて、変態した子イモリは今どこにいて何を食べているのだろうか。
「ハイ、分かる人?」
上の写真を見ていただきたい。
かれらは、水場の近くの陸地の、石や枯葉の下にそっと身を潜めており、夜になると餌を求めて周辺を歩き回る。
体の格好は親と同じだが、とにかく小さーいーー。その小さい体でつぶらな瞳が、これまた可愛いーーー。
でも食べているものを聞いたら気持ちを変えるかもしれない。
土壌の中にいるトビムシやダニやワラジムシだ。糞を調べるとそういうことがわかるのだ。
どうか気持ちを変えないでいただきたい。
懸命に生きるとはそういうことなのだ。
ちなみに彼らは、水に入ることなく3~4年間の長い陸上生活を続け、成熟してからやっと水に入って繁殖活動をはじめる。
偶然見つかる場合は別として、意図して幼体を見つけることはとても大変だ。見つけた時は宝物でも発見した時のような感動があり、その小さな体に秘められた命と、これから生き抜いていかなければならない彼らの宿命に愛おしさがこみ上げる。
最近、心と体が弱っているので、今日もしみじみとまとめてみた。
ラベル:
イモリ
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夏に変態したアカハライモリの幼体は今どうしてる?
アカハライモリの母親は春から初夏にかけて水中で産卵し、孵化した子どもは晩春から夏にかけて変態する(カエルで言えば、オタマジャクシが変態して子ガエルになる)。
さて、変態した子イモリは今どこにいて何を食べているのだろうか。
「ハイ、分かる人?」
上の写真を見ていただきたい。
かれらは、水場の近くの陸地の、石や枯葉の下にそっと身を潜めており、夜になると餌を求めて周辺を歩き回る。
体の格好は親と同じだが、とにかく小さーいぞーー。その小さい体でつぶらな瞳が、これまた可愛いぞーーー。
でも食べているものを聞いたら気持ちを変えるかもしれない。
土壌の中にいるトビムシやダニやワラジムシだ。糞を調べるとそういうことがわかるのだ。
どうか気持ちを変えないでいただきたい。
懸命に生きるとはそういうことなのだ。
最近、心と体が弱っているので、今日もしみじみとまとめてみた。
ラベル:
イモリ
動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。主な著書は『通勤電車の人間行動学』、『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』、『ヒトの脳にはクセがある』など
2015/07/19
大きくなったモリアオガエルの幼生はアカハライモリに捕食されない!(動画)
先日、ニホンモモンガの調査で、沖ノ山の中腹に行って来た。
調査の合間に、平地になっている疎林を散策するのも楽しみの一つだ。
調査地には、ニホンモモンガをはじめ、ヤマネやニホンリス、ムササビヒメネズミなどの小型哺乳類が樹上を徘徊しているのだが、彼らに混じって樹上を徘徊する両棲類がいる。モリアオガエルだ。特に“平地になっている疎林”にはモリアオガエルも多い。
かれらは、樹上で生活し初夏の産卵期になると、枝が水場に垂れ下がった木の、その枝に産卵する。泡状の塊の中に、卵を一つ一つ産んでいくのである。
そして表面が堅くなり中の水分を逃がさなくなった塊の内部で卵は孵化し、オタマジャクシが誕生する。
やがて雨が降ると、内部にオタマジャクシを抱えた塊の表面は水を吸って溶けていき、中のオタマジャクシたちが下へと落ちていく。そして落ちた先には、・・・・水場(!)がある。
よくできているねー。
モリアオガエルが生息するその森の中の水場は、山からの伏流水が集まってできている小さな池だ(それがまた疎林の景観をとても魅力的に見せてくれる)。そしてそんな小さい池には、たいてい、アカハライモリが棲んでいる。
アカハライモリは、落ちてくる生まれたての小さなオタマジャクシを、パクパクと食べる。美味しそうにパクパクと食べる。
オタナジャクシがかわいそうだが、それが、ヒトも含めた生き物が生きるということだ。アカハライモリにとってもモリアオガエルにとっても、人生ならぬ、アカハライモリ生、モリアオガエル生なのだ。
スギに産みつけられたたくさんのモリアオガエルの卵塊 モリアオガエルの指先の吸盤は、樹上生活に適応して特に発達している
ところが、先日行った調査地の疎林平地で見つけた小池では、状況がちょっと違っていた。
小池にはモリアオガエルのオタマジャクシもアカハライモリもいたのだが、アカハライモリはモリアオガエルのオタマジャクシを食べられないのだ。
その理由は、オタマジャクシが成長していて、アカハライモリから逃げることができたからである。
下の動画をご覧になれば了解していただけるだろう。
ちなみに、この日はあたりが薄暗くなってから調査地を後にした。山を下る途中、車の前に黒い塊を目にした私は、急ハンドルでそれを避けた。
黒い塊に生命の気配を感じたからである。
うまく回避できたかどうか、そして一体何者か、確認しようと思い、車を降りてあたりを探してみたら・・・、立派なヒキガエルがうずくまっていた。怪我はなかった。
私は、「モリアオガエルのオタマジャクシを見習えよ」と思ったのだった。
オシマイ
2015/05/12
アカハライモリの小さい小さい子どもたちの旅立ち
孵化後数ヶ月後の子ども。上の子どものほうが1週間ほど年長。子どもたちを見つけるためには、大変な努力が必要だ。
昨日、ある知り合いの方から、「アカハライモリが産卵しました」というメールがあった。
そうだ。春だ。アカハライモリの「産卵」、「変態」、「子どもたちの水場を後にしての旅立ち」の季節だ。
そして私は思いを馳せたのだ。
数年前まで、それまでほっとんど知られていなかった「水場を後にしての旅立ち」の後の子イモリたちの行動、生活を調べていた日々のことを(それほど大層なことではないけれど)。
下の写真が、私が調査場所にした河川敷の水場である。
この場所で子どもたちは産まれ、幼生になり、変態し、そして自分たちが生まれた水場から広い陸地へと上がり、それから三年ほどは、水場にもどることはない。
陸上での、まさに命をかけた成長の日々を送るのである。
さて、では彼らは、具体的に、どんな場所で、どんな行動を行いながら、何を食べて生きているのだろうか。
私は、彼らが生まれた水場の周辺の草地をしらみつぶしに探し回った。
彼らは、日中は、たいてい、積み重なった枯葉と土の間、石と土のわずかな隙間などで静かに休んでいる。そして夜になると、餌をもとめて地面を移動しはじめる。
よく動く個体で、一ヶ月で、30メートル近く移動する。
イタチ、カエル、ヘビ、ハサミムシなどの昆虫・・・、たくさんの敵から逃れつつ、子イモリたちが食べるものは、主に、いわゆる土壌動物である。
糞には、小さなアリやカタツムリ、ダニ、トビムシの未消化体部が確認される。
冬は、石垣などの間に潜んで、ただただ春の訪れをまつ。
一年、二年・・・と、研究が進んでいくと、 だれも気がつかない河川敷の一画で、ほんとうに懸命に生きているアカハライモリたちの姿の一端が、はっきり見えてくる。
そして、いっぽうで、悲しいことに、そんな河川敷も、護岸整備や道路の拡張で埋め立てられていく現実もある。アカハライモリの子どもも大人も、土に埋もれて死んでいくのだ。重機に踏み潰されて死んでいく個体もいるだろう。
どんな仕事をする人でも、どんな生活をしている人でも、子どもでも大人でも、一度は、アカハライモリなどの小さな野生の生物の、その姿や行動や生活に直にふれてみて欲しいと思うのである。
動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。主な著書は『通勤電車の人間行動学』、『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』、『ヒトの脳にはクセがある』など
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