小林朋道公式ブログ:動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。 主な著書は『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『通勤電車の人間行動学』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』など
2015/12/29
冬の里山(動画)
動物行動学者。野生生物と3日ふれあわないと体調が悪くなる。主な著書は『通勤電車の人間行動学』、『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 』、『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇』、『ヒトの脳にはクセがある』など
2015/12/18
えっ、モモンガが4匹、木から出てきた!?
左の写真は、その中に4匹のモモンガがいたと思われる巣穴がある木.左は、それらのモモンガを見た方からの話から想像される年齢のモモンガ
先日、鳥取県の芦津のAさんから次のような内容の電話があった。
町長さんの山で作業をしておられた方が、木を切っていたら、倒れた木から4匹のモモンガ(らしきもの)が出てきた。そのうちの1匹を連れて帰っているだがどうすればよいだろうか。
私は考えた。
今の季節に4個体のモモンガが一つの巣穴にいたということは、「巣内同居は寒さをしのぐためのモモンガたちの戦略だ」という私の仮説を支持する出来事だ。でも、成獣だったら(仮に木が倒れた拍子に脳震盪を起こしたとしても)そんな簡単に、素手の人間につかまるはずはない。でも季節から考えて、今の時期、同じ巣穴に留まっているような仔モモンガがいるはずはない。春と夏、繁殖期をもつモモンガだが、夏の繁殖期で生まれたとしても、今はもう充分成長しているはずだ。
これはどういうことだ・・・・(まー、とりあえず、モモンガは、それが捕獲された場所で放すのがいいでしょうと答えたが、大きな疑問を抱え込んだ気がした)。
そして私は、その場所と、4匹のモモンガの様子を聞くために、大学から1時間ちょっとかかる町長さんのご自宅へ行ったのだった。
ちょうど奥様が対応してくださり、モモンガを連れて帰った方とも直接話ができた。
その結果、そのモモンガたちは、やはり生後数ヶ月齢の仔モモンガだった可能性が高いことが分かった。
そして、町長さんのお計らいで庭にもって帰ってあった、4匹のモモンガがいたと思われる巣穴がある木と対面することができたのだ。
その後で、モモンガが巣穴を利用していた木の場所へ行ってみた。
スギの木と自然林が接する、私が生息地の研究で達していた「ニホンモモンガはスギ林と自然林が接するような場所を一番好む」という結論にピッタリの場所だった。
その日は、モモンガの巣の木を持って帰ることはできなかったので(その木を持ち帰るためには軽トラックが必要)、「また取りに来ますのでとっておいて下さい」とお願いして帰路についた。
ちなみにその木は「キハダ」という樹皮の下が鮮やかな黄色をしている樹木だった。
私は近々その木を持ち帰り、木を真っ二つにして巣の内部を調べることを今から楽しみにしている。
きっとスギの樹皮を細かく裂いて作った巣材が厚く敷かれていると思う。
実際にその時がきたら、このブログで是非お見せしたい。
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2015/11/16
いつ見ても、芦津のモモンガは可愛い
先日、ゼミ生のYsくんと、鳥取県芦津のモモンガの森に、巣箱の交換をしにいってきた。
8年前に設置してから2度目の交換である。
今度の巣箱は、耐水性に優れた、多分、今までの巣箱よりかなり長持ちするはずである。
ただし、巣箱が古くなったとはいえ、もう使えないというわけではない。
古い巣箱にモモンガが2匹入っていた。
モモンガはいつ会ってもカワイイ顔をしている。
ちなみに、私は、「芦津モモンガプロジェクト」と名づけた、モモンガの生息地を守る取り組みを続けている。もう8年になる。
「希少な野生動物や、その生息地を守るためには、その動物の存在が、地域の人達に、目に見える形で利益をもたらすような仕組みをつくればいい」という発想が原点である。
その活動の中の一つは、地元の大工さん達が地産の杉をつかって、モモンガをシンボルにしたグッズをつくり、ネットで販売する、というものである。モモンガショップと呼んでいる。
今年で5年目になる。今は初期のころほどには売れなくなったが、注文はある。プロジェクトの趣旨に賛同してくださる人が、新しいグッズができたら、常連のような感じで買って下さるケースもよくある。
えっ?モモンガショップの場所をお知りになりたい。
どうぞどうぞ。場所は下のサイトだ。
・芦津モモンガショップ ←新しく作りました
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2015/09/25
(動画)ナガレホトケドジョウが棲む谷川の、癒しの風景を音付きでどうぞ!
ナガレホトケドジョウはその名のとおり、ドジョウの仲間だが、体型は、谷川の急流を遡ることに適応したような、細長くて平たい精悍な(?)体と精神をもっている。
他の魚類はとても棲めないような、河川上流の、細くて急な谷川で生きる希少野生動物なのである(当然、環境省のレッドデータリストでは残念ながら最も絶滅の危機が高いレベルに指定されている)。
さて、学生達は、下のような谷川で、ナガレホトケドジョウをできるだけ多くマークし、個々の個体が、急な谷をどのように移動し生活しているのかを調べている。
急な谷では、降雨のときなど、激しい流水が起こり、魚たちを下方へ流す力が働く。魚たちが遺伝的な多様性を保持しながらその谷で生きていくためには、小さな滝のような流れを遡ることが不可欠なのだが、谷川での彼らの移動実態については何も知られていない。
ところで当日はとても気持ちがよい日で、谷川のせせらぎや夏の終わりを惜しむ蝉の声などを聞きながら作業をしていると、ほんと・・・・癒される。
これを読んでくださっている皆さんにだけ、その映像と音の風景をお届けしたい。
もう一つの動画は皆さんへのサービスで、ナガレホトケドジョウを一時捕獲するためのトラップとそれに近づくナガレホトケドジョウの映像である。
デハオヤスミナサイ
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2015/08/24
山奥の洞窟であったほんとうの話・・・
洞窟の天井にあった目玉(いったいこれは何なのだ!)
これからお話しすることは、昨日体験したほんとうの話である。
これから寝る前にトイレに行かなければならない人は、読むのは明日の朝まで待つことをおすすめする。
それは鳥取八頭の山奥の深い洞窟のなかで体験した話である。
真っ暗なその洞窟に入ったとき、いつもとは違った胸騒ぎを感じたことは確かだった。
しばらく進むと、洞窟の壁に、目のような半球状の黒い構造物が付着しているのを発見した。私の胸はなぜかドクンと打った。
それからさらに進むと、真っ暗な地面で何かが動いたのを感じた。
おそるおそるライトを照らすと、そこには這うようにうごめくヒトのような動物が数体いたのだ。そしてその顔にライトを照らすと、顔には眼が、眼が見えなかったのである。
ちなみに、その日私は、洞窟の天井に産みつけられたケブカクモバエのサナギを、生まれてはじめて調査しに、ユビナガコウモリ棲む山奥の洞窟に入ったのだった(だから、“いつもとは違った胸騒ぎを感じた”)。ケブカクモバエは、ユビナガコウモリの体毛の中に棲み、子どもを産むときだけ体毛から出て洞窟の天井に、体内でサナギにまで育った子どもを産みつける寄生性のハエであり、そのサナギは“目のような半球状の黒い構造”をしているのだ(そんな珍しいハエが産みつけたサナギを発見したから“胸はなぜかドクンと打った”のだろう。上の写真はその生みつけられたサナギである)。
そして、その後、さらに奥の地面に発見したのは、(地面を這う)「アリ」だったのだ。アリは、頭や胴体や腕のような脚があり、少なくともイソギンチャクやウニより、かなりヒトに似ているのだ。
もちろん私はワクワクしてそのアリ達にライトを当てたのだが(もちろん洞窟のアリだったらもしかすると眼が退縮しているかもしれず、そうなるととても珍しい洞窟性のアリ、ということになるかもしれない)、アリが小さいこともあって眼がついているかどうかよくわからなかったのだ(これは実際とても興味ある点で、今日でも大学の顕微鏡で調べてみるつもりだ!下の写真が、そのアリである)
以上、「山奥の洞窟であったほんとうの話・・・」・・・でした。
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2015/07/19
大きくなったモリアオガエルの幼生はアカハライモリに捕食されない!(動画)
先日、ニホンモモンガの調査で、沖ノ山の中腹に行って来た。
調査の合間に、平地になっている疎林を散策するのも楽しみの一つだ。
調査地には、ニホンモモンガをはじめ、ヤマネやニホンリス、ムササビヒメネズミなどの小型哺乳類が樹上を徘徊しているのだが、彼らに混じって樹上を徘徊する両棲類がいる。モリアオガエルだ。特に“平地になっている疎林”にはモリアオガエルも多い。
かれらは、樹上で生活し初夏の産卵期になると、枝が水場に垂れ下がった木の、その枝に産卵する。泡状の塊の中に、卵を一つ一つ産んでいくのである。
そして表面が堅くなり中の水分を逃がさなくなった塊の内部で卵は孵化し、オタマジャクシが誕生する。
やがて雨が降ると、内部にオタマジャクシを抱えた塊の表面は水を吸って溶けていき、中のオタマジャクシたちが下へと落ちていく。そして落ちた先には、・・・・水場(!)がある。
よくできているねー。
モリアオガエルが生息するその森の中の水場は、山からの伏流水が集まってできている小さな池だ(それがまた疎林の景観をとても魅力的に見せてくれる)。そしてそんな小さい池には、たいてい、アカハライモリが棲んでいる。
アカハライモリは、落ちてくる生まれたての小さなオタマジャクシを、パクパクと食べる。美味しそうにパクパクと食べる。
オタナジャクシがかわいそうだが、それが、ヒトも含めた生き物が生きるということだ。アカハライモリにとってもモリアオガエルにとっても、人生ならぬ、アカハライモリ生、モリアオガエル生なのだ。
スギに産みつけられたたくさんのモリアオガエルの卵塊 モリアオガエルの指先の吸盤は、樹上生活に適応して特に発達している
ところが、先日行った調査地の疎林平地で見つけた小池では、状況がちょっと違っていた。
小池にはモリアオガエルのオタマジャクシもアカハライモリもいたのだが、アカハライモリはモリアオガエルのオタマジャクシを食べられないのだ。
その理由は、オタマジャクシが成長していて、アカハライモリから逃げることができたからである。
下の動画をご覧になれば了解していただけるだろう。
ちなみに、この日はあたりが薄暗くなってから調査地を後にした。山を下る途中、車の前に黒い塊を目にした私は、急ハンドルでそれを避けた。
黒い塊に生命の気配を感じたからである。
うまく回避できたかどうか、そして一体何者か、確認しようと思い、車を降りてあたりを探してみたら・・・、立派なヒキガエルがうずくまっていた。怪我はなかった。
私は、「モリアオガエルのオタマジャクシを見習えよ」と思ったのだった。
オシマイ
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